ヴィンテージの指輪を身に着けるということ


カントリージェントルマンではヴィンテージの銀食器からリングやブレスレット、ネックレスをリメイクし、作品を制作しています。

もちろん新品のカトラリーからリメイクすることも可能ですが、あえてヴィンテージつまり年代物の、時を経てたどり着いた銀食器から作品を生み出すことをポリシーとしています。

その理由は、リングやブレスレットを身に着けると同時にその銀食器が生まれた時代や経た時間も共に身に着けることにこそ価値があると考えているからです。

新しく傷のないきれいなリングを身に着けることは、私たちにとって簡単なことです。もちろんさまざまなデザインや美しい装飾が施されたリングは、とても魅力的に思えます。

しかし私は、身に着けるものにはストーリーがあってほしい。手のひらの上に乗せればただの小さな物体であるリングも、ヴィンテージであればあるほどその背景には手のひらに乗せきれないほどの広がりがあることを感じられます。

カントリージェントルマンの作品には、どんな背景があるのか。人気の作品であるTiffany&co のVintage Spoonから制作した、Flemish Spoon Ringを例にとり、ヴィンテージの銀食器がもつ歴史を少しお話させていただきたいと思います。

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ティファニーとは

おそらくほとんどの日本人はティファニーというブランドをご存知のことと思います。特に女性であれば誰もが一度は憧れたことがおありになるでしょう。

ティファニーは約180年の歴史を持つ、世界的なジュエリーブランドです。ニューヨークの5番街に本店を持ち、最高品質の宝石やジュエリーを制作・販売しています。

働いている職人はすべて超一流の職人であり、ティファニーで働くということは多くの宝石職人の憧れでもあります。それほど、ティファニーの作品の品質は世界的に見ても非常に高いものであるのです。

詳しくはティファニーの歴史という記事にまとめてありますが、180年の歴史の中ではさまざまなことが起こりました。ティファニーを一躍世界的な宝石商として知らしめるきっかけとなったヨーロッパの革命や、当時まだ正確さが不安定であった時計業界の中でその正確性の高さで有名になったアトラス像の時計、世界最大のイエローダイヤモンドを手中に収めたティファニーには、さまざまなヒストリーがあります。

Flemishのデザイン

出典:http://www.tiffany.com/accessories/tableware/flemish-coffee-spoon-10071992?fromGrid=1&origin=browse&trackpdp=bg&trackgridpos=7&fromcid=130398

では、この直線的かつシンプルなFlemishのスプーンからどんな背景を読み解くことができるのでしょうか。

時は200年ほどさかのぼります。19世紀はじめから20世紀はじめまで、ヨーロッパを中心に広がっていった芸術活動に「アール・ヌーボー」と呼ばれるものがありました。

アールヌーボーは簡単に言えば、曲線的かつ花や植物などのいわゆる有機物をモチーフとした華美なデザインであり、貴族に非常に好まれるような豪華なものでした。

そもそもアールヌーボーは、18世紀に始まった産業革命による大量生産品の品質が低いものに対するカウンターカルチャーのようなもので、工場で大量に生産されるものに嫌気が差した人々が、職人の手を借りて高品質な作品を好むようになったことから生まれた流れであると考えられています。

しかし”流れ”というものは常に変化するものです。

アールヌーボーは一時は非常に流行し、多くの傑作を生み出しました。ですが曲線や有機物をモチーフにした複雑で華美なデザインから、徐々に人々の関心は薄れさらには退廃的なデザインであると避けられるようになったのです。

また、第一次世界大戦(1914年7月28日から1918年11月11日)が起こったこともアールヌーボーの衰退に拍車をかけます。大量の人材・資材が失われたこの時代において、職人による手間と時間がかかる芸術・製品は、次第に立ち行かなくなっていったのです。

それに対して生まれた流れが、1910年代から1940年ごろまで流行した「アール・デコ」と呼ばれるものです。

それまでの曲線と有機物を組み合わせた複雑で華美なデザインに対抗するように、アールデコは正反対の流れとなりました。アールデコを誤解を恐れず簡単に表現するとすれば、幾何学的でシンプル。この一言に尽きます。

直線的かつシンプルなデザインは、それまで一部の特権階級のみに愛されていたアールヌーボーとは異なり、一般階級の人々に諸手を挙げて受け入れられていきます。

ちなみに、世界的に有名な伝説の建築士フランク・ロイド・ライトの作品にも、アールデコの影響をそこかしこに感じ取ることができます。

アールデコとFlemishスプーン

さて、ここでスプーンに話を戻します。

ティファニーのFlemishスプーンは、1911年に初めて発表されました。

1911年といえば、アールヌーボーからアールデコへと世界の流れが大きく変わろうとしていたときでした。

曲線美から直線美へ、複雑なものからシンプルなものへ人々の美への価値観が変わり始めるそのときに、時代の潮流を読み解いたティファニーはその新たな潮流にいち早く飛び乗りました。

Flemishのデザインを見ると、その高品質なシルバーの輝きを損なわないシンプルかつ直線的なデザインとなっています。まさにアールデコの真髄を世界に先駆けて身にまとったのです。

手になじむその滑らかなスタイルは、実用的な製品を求めていた民衆に広く受け入れられ、多くの人の手に渡ることになりました。

アールヌーボーからアールデコ、まったく正反対のスタイルをいともたやすく受け入れ、自分のものとしてこの世に送り出したティファニー。その先見性と高い技術力があったからこそ、ティファニーは現代でも当代一のブランドとして君臨しています。

カントリージェントルマンのスプーンリング

身に着ければたった指一本分に収まるリング。しかしヴィンテージの銀食器という要素を内包したそのリングには、その時代に生きた人々の想いや歴史が色濃く反映されています。

新しくキズもないリングも素敵ですが、私はヴィンテージリメイクリングのキズ一つ一つのその奥に、目には見えない壮大な景色を感じています。

多様なものが日々生み出され、それがすさまじい勢いで消費され忘れ去られていく現代で、私は時を経ても変わらない、ブレない作品を作り出すことこそ、田舎に住むカントリージェントルマンがなすべきことであると考えます。

身に着けてデザインを楽しむと同時に、その中に秘められた歴史を感じられる作品を、これからも作り続けていきます。

ヴィンテージの指輪(Flemish)はこちらからご覧いただけます。

#シルバー #ティファニー #Tiffanyco #銀食器

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カントリージェントルマンではアメリカより取り寄せたヴィンテージ素材をリメイクし、スプーンリングやブレスレットなどのヴィンテージアクセサリーをメンズを中心としてユニセックスも制作・通販しております。

​本当のカントリーを表現すべく、素材・製法にこだわり一点一点オールハンドメイドで制作しています。

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