田舎暮らしと仕事の実際のところ。


もともとは福島の生まれで、大学進学と同時に福島から首都圏へ移り、約10年くらいを神奈川・東京で過ごしました。

東京の仕事も、福島での仕事も両方を経験してみて、どのような違いがあるのかを少しずつ見えてきた気がします。

今回はその違いや利点・欠点を含めて、さまざまな観点からお話していきたいと思います。

仕事の数

正直、田舎(基本的に福島としてお聞きください)には仕事は少ないです。もちろん選ばなければたくさんの仕事があります。トラックの運転手やスーパーのレジ係など、確かにたくさんあるといえばあります。

最低賃金の見直しも増えてきており、コンビ二でも少しは時給があがってきているような実感はあります。

しかし。あえて言わせてもらえば選択肢が本当に少ないです。特に何かしたいことがあってそれに関連するような職種を探す際に、必ずといっていいほどその選択肢は非常に限られていることがわかります。厳しいことをいえば、田舎にいることによって狭まる”自分の可能性”というものは、確実にあると思います。

東京でWEB広告に携わり約5年。福島で同様の職種を探したこともありましたが、ほとんど仕事はありませんでした。WEB広告については地方という土地柄、つまりは紙媒体の広告や交通広告が未だに主流となっているためということもあるとは思いますが、やはりなにより人口というパイが少ないというのが非常に大きく関係しているんだと思います。

そのほかの業種も同様に、パイが少ないために企業の存続は難しく、職を探す人間からすればその選択肢は非常に限られた状況にあります。

つまりはやりたいことがあるのなら、自分でその会社を立ち上げるか、もしくはそのやりたいことを抑えて妥協して職を探す必要があります。(特にWEB関係についてはその状況は顕著です。)

仕事の選択肢

経済産業省中小企業省が2017年に発表した「中小企業の雇用環境と人手不足の現状」を紐解くと、2016 年の有効求人倍率は、47全ての都道府県で1倍を超えているそうです。

これはつまり、全国的に求人数が求職者数を上回っているということになります。ということは仕事はあるけれども人が足りていない状況にあるということなのです。

こんなに恵まれた環境ではあるものの、田舎には業種の選択肢が多くありません。東京の事業所数(民営)が約63万所、福島の事業所数が約8万8千所ということを考えてもそれは明らかです。

それを考えると、自分の可能性を試してみたいのであれば東京へ出る、という選択もやはり正しいのだろうと思います。

田舎の利点

と、ここまで書いてみるといかにも田舎は生活していくのに難易度が高いように思われますが、田舎で暮らす利点ももちろんあると思います。

まずは生活費が安い。たとえば福島では賃貸で2LDKを借りるとしても、近くにスーパーがあったり病院があったりする便利な場所でも、6万円~7万円で借りれます。それも比較的新しいアパートでも、です。あくまで感覚値ですが。

レジャー費だって、BBQもいちいち場所代を払ったりすることなく、広い場所で利用することもできますし、なにより山が身近にあるので移動のための交通費もとても低く抑えられるのです。スキー場だって車さえあればガソリン代だけでサッと行ってサッと帰ることができます。

また、私的には単純に土地の広さが利点として挙げられます。

理由としては、まず通勤です。私が東京で働いていたときの大きなストレスのひとつが朝の満員電車でした。

見ず知らずの人間がぎゅうぎゅうの車内に詰め込まれ、発車・停車のたびに力の限りに体勢を整えようとして、会社につくころにはいつも疲労困憊でした。

帰宅の際にも、ストレスがたまったビジネスマンたちが疲れた顔でぎゅうぎゅうの車内で眠そうにしていました。たまに酔っ払いがケンカをはじめたり、男性であれば痴漢と間違われないように両手を高いところにおいておかなければなりません。都会で暮らす人は、移動する際にとてもストレスフルな環境にあるということはいえると思います。

その点田舎ではそもそもあまり、というかほとんど電車を使いません。基本的には車に乗って仕事場まで向かいます。当然車内は自分ひとりなので、知らない人に気を使ったりする必要はまったくありません。好きな音楽を聴いたり、好きな歌を歌ったり、リラックスした状態で仕事に向かえるのです。これは自分にとっては非常にありがたいものでした。

次の利点は、自然です。

ほとんど目に映るすべてが人工物である。というのは、心を非常に疲れさせます。科学的にも緑を見ることによって心がリラックスするという結果が出ているように、自然と近い環境で生活をすることは精神衛生上非常によいそうです。

精神的なケアが必要だったり、喘息などの療養が必要な際に田舎へ引っ越すというのも、よく取られる有効な措置のひとつです。

緑の深い山、心が落ち着く湖、耳に優しい川のせせらぎ、東京で働いていたときたまに実家に帰ると、きれいな空気を肺いっぱいに吸い込んですがすがしい気分にしてもらったことを覚えています。

また時間もゆっくり流れているイメージですので、私としてはひとつのことに向き合ったりリラックスした時間を過ごしたい人には田舎はそのための環境が整っているともいえます。

都会と比べると、無いものが多い田舎ですがその分、都会にも無いものがあるのが田舎でもあるのです。

地方の欠点

まずはお金です。経済活動の規模が違いますので、年収にも大きな差が生じます。

実際のところ、東京都の人の平均年収は約605万円。福島県では約410万円と約200万円もの大きな差があります。

子供を生み育てる上では田舎のほうが制限も少なく、のびのびと育てられるかとは思いますが、大学進学等を考えるとやはり年収は多いに越したことはないと思います。

また、買い物に行く際に選択肢は非常に限られるため、日々同じことばかりで息が詰まるという人も多いと思います。田舎は基本的に買い物をするといえば大型の商業施設へ行くことになります。なぜなら他に行くところが無いからです。

そう考えると新しいものが好きだったり刺激を求める人には、田舎は非常に退屈な環境であるといえます。そのような人には、田舎暮らしはあまり向かないかもしれません。

次は交通面です。電車に乗りさえすれば基本的に事故にあうことはないと思いますが、田舎では移動手段が車になるため、日々交通事故にあう危険性があります。同様に誰かを轢いてしまうという加害者になってしまう可能性もあります。

またお酒を飲みに車で出かけると、必ず代行やタクシーを呼ぶ必要があり、下手をすると飲み代と同等の費用を支払う必要が出てきます。居酒屋などが好きな人にも少し厳しい環境であるといえるかもしれません。

そして仕事においても、田舎に行けば田舎であるほど知り合いがいることが重要になります。出会いが限られた田舎では、学校の友達や友達の友達というつながりがあればあるほど仕事をするうえで有利な立場に立てます。

いきなり都会から田舎に移住すると、その点で苦労をすることも多いだろうことは容易に想像がつきます。

田舎で仕事をするためには

お話してきたような田舎の利点・欠点を直に感じながら、私も”田舎で仕事をすること”についてずっと考えてきました。

自分のしたいことをして仕事をするためにはどうすればいいのか。

私の場合、その答えがWEB・インターネットを利用することでした。

数十年前までは、仕事をするためには実際にその場に「行って」話をしたり売込みをしたりする必要がありました。

しかしインターネットが世界的に発達した現代では、その場に行かずとも話をしたり物を売ったりすることが比較的容易にできるようになりました。さらにいえば、日本のみならず世界中の人たちとその場にいながらにしてやり取りをすることだってできるようになったのです。

現在私は福島にいながらにして、アメリカからヴィンテージスプーンやホースシューを買い付けし、福島で作品作りを行い、東京のお客様に作品を販売することができます。

いまこの記事を読んでいるあなたが私の前にいなくとも、こうやって私がお伝えしたいことを伝えることができるのです。これはとてもすばらしいことですし、インターネットを通じて初めて私の作品が売れたときの感動は、言葉に言い表せないほどにすばらしいものでした。

日々めまぐるしい変化・進化を遂げる現代においては、もはや都会か田舎かということだけではなく、日本か世界かというグローバルな視点で物事を見つめる必要があると思います。

なぜなら、日本の状況は決して楽観していられるものではなく、田舎の過疎化どころではなく日本全体でも人口が減少フェーズに突入しているからです。

具体的にいえば、国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の将来推計人口 (平成 24 年1月推計)」によれば、平成 22(2010)年の日本の総人口は 1 億 2,806 万人でした。

皆さんがご存知のとおり日本では深刻な少子化により人口は年々減少しており、平成 42(2030)年には 1 億 1,662 万人に減少し、最終的に平成 60(2048)年にはなんと1 億人を割っ て 9,913 万人となってしまうと見られています。

今後人口的にも経済活動的にもパイが減り続けるのが確実な日本で生きていくのであれば、必然的に外の世界、つまりは世界に対して働きかけをしていかざるを得ないのです。

そのためにも、私は世界中の人に欲しいと思っていただけるような魅力的な作品を作っていきたいと思っていますし、なにより世界の人と話をしたりビジネスを展開していくことを楽しみにしています。

まずは目の前にいるお客様を大事にしながら。そしてその先も見据えて、カントリージェントルマンは歩んでいきたいと思っています。

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