Country Gentlemanでは、ヴィンテージ素材が持つ歴史や背景に対して特別な想いを持っています。
ヴィンテージアクセサリーを身に着けることは、その素材が持つ”威厳”や”風格”を身に纏うことと同義と捉え、そのストーリーにこそ真の価値があると考えています。
そのため単なるアクセサリー1つであっても、徹底的にその歴史や背景について調査・勉強してご紹介をさせていただいています。
その中で今回は少し特殊な素材に関して、どのような調査を行ったかをご紹介させていただければと思います。この調査の正確性についてはもちろん議論が分かれるところかとは思いますが、
「歴史を紐解いていくこと」の楽しさを、少しでもお伝えできればと思い記事を書かせていただきます。
まず今回調査するのはこちらの小麦粉袋です。

まずこの小麦粉袋からわかることとして、
・小麦粉袋のブランド名は「PIKES PEAK」(このパイクスピークとはコロラド州にある山であり、北アメリカ大陸・ロッキー山脈にある山の一つ)
・製造者は「The Crescent Flour Mills Co.」
・製造場所は「コロラド州のデンバー」
の3つです。
ここで得られた情報を基に調べていたところ、どうやらコロラド州の大きな製粉会社の「Colorado Milling and Elevator Company」が関係していることがわかりました。
この関係が分かったのが、ある一枚の写真のおかげでした。

この写真から、「The Crescent Flour Mills Co.」と同じブランド名、同じブランドロゴで、「Colorado Milling and Elevator Company」という会社もフラワーサックを作っていたことが分かりました。
少しの寄り道調査:「Colorado Milling and Elevator Company」
この「Colorado Milling and Elevator Company」の歴史と関係性が深い人物として、1人のアイルランド系移民、
John K. Mullen(1847年〜1929年)が浮かび上がってきます。
彼は1847年にアイルランドで生まれました。その後家族がニューヨークに移住したため、彼は家族のために学校を中退し働き始めることになります。
彼が初めて働いたのが「the Oriskany Flour Mill」という製粉所で、14歳ごろから働き始めたとされています。勤勉な彼は製粉所の所有者にも認められ、責任者としての職が与えられるほどでした。
彼はその後製粉所を転々として西に向かいました。はじめはカンザス州へ定住し、ついにはコロラド州へとたどり着きました。
そこで彼は自らの工場を運営すべく、1875年にデンバー北部の古い製粉所だったStar Millを借りることにしました。翌1876年に彼はその工場を買収し、念願だった自らの会社JK Mullen and Companyを設立しました。
その後も彼は様々な製粉会社を買収し、彼の会社はどんどん大きくなっていきました。
そして1885年に、「Colorado Milling and Elevator Company」の設立を支援した(自ら設立した可能性もあり、その辺りは少し判然としませんでした)のが、このJohn K. Mullenだったのでした。