調査:ヴィンテージフラワーサック (小麦粉袋)の年代判定について

Country Gentlemanでは、ヴィンテージ素材が持つ歴史や背景に対して特別な想いを持っています。


ヴィンテージアクセサリーを身に着けることは、その素材が持つ”威厳”や”風格”を身に纏うことと同義と捉え、そのストーリーにこそ真の価値があると考えています。


そのため単なるアクセサリー1つであっても、徹底的にその歴史や背景について調査・勉強してご紹介をさせていただいています。


その中で今回は少し特殊な素材に関して、どのような調査を行ったかをご紹介させていただければと思います。この調査の正確性についてはもちろん議論が分かれるところかとは思いますが、


「歴史を紐解いていくこと」の楽しさを、少しでもお伝えできればと思い記事を書かせていただきます。


まず今回調査するのはこちらの小麦粉袋です。


まずこの小麦粉袋からわかることとして、


・小麦粉袋のブランド名は「PIKES PEAK」(このパイクスピークとはコロラド州にある山であり、北アメリカ大陸・ロッキー山脈にある山の一つ

・製造者は「The Crescent Flour Mills Co.」

・製造場所は「コロラド州のデンバー」


の3つです。


ここで得られた情報を基に調べていたところ、どうやらコロラド州の大きな製粉会社の「Colorado Milling and Elevator Company」が関係していることがわかりました。


この関係が分かったのが、ある一枚の写真のおかげでした。

https://www.etsy.com/jp/listing/587921740/old-original-1950s-pikes-peak-flour?show_sold_out_detail=1&ref=nla_listing_details


この写真から、「The Crescent Flour Mills Co.」と同じブランド名、同じブランドロゴで、「Colorado Milling and Elevator Company」という会社もフラワーサックを作っていたことが分かりました。

少しの寄り道調査:「Colorado Milling and Elevator Company」


この「Colorado Milling and Elevator Company」の歴史と関係性が深い人物として、1人のアイルランド系移民、

John K. Mullen(1847年〜1929年)が浮かび上がってきます。


彼は1847年にアイルランドで生まれました。その後家族がニューヨークに移住したため、彼は家族のために学校を中退し働き始めることになります。


彼が初めて働いたのがthe Oriskany Flour Mill」という製粉所で、14歳ごろから働き始めたとされています。勤勉な彼は製粉所の所有者にも認められ、責任者としての職が与えられるほどでした。


彼はその後製粉所を転々として西に向かいました。はじめはカンザス州へ定住し、ついにはコロラド州へとたどり着きました。


そこで彼は自らの工場を運営すべく、1875年にデンバー北部の古い製粉所だったStar Millを借りることにしました。翌1876年に彼はその工場を買収し、念願だった自らの会社JK Mullen and Companyを設立しました。


その後も彼は様々な製粉会社を買収し、彼の会社はどんどん大きくなっていきました。


そして1885年に、「Colorado Milling and Elevator Company」の設立を支援した(自ら設立した可能性もあり、その辺りは少し判然としませんでした)のが、このJohn K. Mullenだったのでした。


※彼はデンバーやその他の地域のために多額の寄付をしていた慈善家としても知られており、彼の半生をまとめた動画が作られていましたので、参考までにこちらもご覧ください。


このようにして、「コロラド州のデンバー」、「PIKES PEAK(コロラド州)」という共通点が、この調査から判明しました。


参考:https://en.wikipedia.org/wiki/John_Kernan_Mullen

難航を極める調査


この時点ですでに3時間ほどを費やし、ようやく判明したのが「The Crescent Flour Mills Co.」と「Colorado Milling and Elevator Company」に何らかの関係性があるということでしたが、


ここから何の情報も見つからずに、無駄に時間だけが過ぎていきました。


The Crescent Flour Mills Co.に関する情報がなかなか見つからず、その先へ繋がる糸口が掴めない状態が続きました。(おそらくはかなり古い歴史を持つ会社であるか、そこまでメジャーな会社ではなかった可能性があります)


少し日を置いて違った角度から調査を進めていたとき、ようやくさらなる関係性が見つかりました。

救いの手


思いがけず救いの手となったのが、ある一冊の本でした。


「Index of Trademarks Issued from the United States Patent and Trademark Office(つまりは米国特許庁から発行された商標の索引)」という本の中で、明確なつながりが確認されたのです。


その本の中では以下の通り書かれていました。

こちらを和訳すると、


「Colorado Milling and Elevator Companyは、デンバー州のコロラドでCrescent Flour Mills Co.として、ビジネスを展開していた。1951年」


つまり「The Crescent Flour Mills Co.」は、「Colorado Milling and Elevator Company」の子会社、もしくは別会社として経営されていた可能性が高いことになります。


そして1951年という明確な記載があることから、このフラワーサック は1950年代のものであるという可能性が高いと言えます。

調査の終わりに


「この調査をしたから何なんだ」と言われてしまえばそれまでですし、特にこれが何か実益を生み出してくれるというわけでもないのですが、


それでも自分が興味を持って調べていなければ、この関係性について言及される機会はなかったかもしれません。


何より、歴史の陰に埋れかけていた知られざるストーリーを、自分の手で少しずつ丁寧に掘り起こすかのようなこの作業が、私は何よりも楽しく、また心惹かれるのです。


そしてあわよくば、私と同じようにその過程を楽しんでいただける方がいらっしゃればと思い、このような記事に仕立てた次第です。


この美しい柄を持つヴィンテージの小麦袋は、現在職人の手によって新たな命を得ようとしています。


こだわりを持って試作を繰り返しているため、すぐにはご紹介できないかもしれませんが、なるべく早く皆様のお目にかけたいと思っております。


今回は久々の投稿、さらにはかなりマニアックな内容にもかかわらず、ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。


また皆様の心の琴線に触れることができるような、新たな、尚且つ奥深い歴史をご紹介できればと思います。


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