日本でも、近年注目を集め始めている格式のあるリングが、シグネットリングです。
シグネットリングの歴史についての説明は別の記事に譲ると致しまして、今回は日本を飛び越え海外のシグネットリングの最高峰のブランドについて、お話しさせていただければと思っております。
皆様を、彫刻の最高峰の世界へお連れしたいと思います。
日本のシグネットリングのトレンド

Bruno Reid, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
最近では、数多くのシグネットリングを日本のブランドが制作・販売されているのを目にします。あくまで個人の感想と致しましては、シンプルなイニシャルのモノグラム(刻印)を彫刻されたシグネットリングが多いような気がします。
これは単純に日本人がシンプルなデザインを好んでいるということもありますが、単純に優れた職人が日本にはまだまだ少ないということがあると思います。
(誤解のないように触れておきますが、もちろん日本にも優れた彫刻師・彫金師は存在していますし、私が個人的に尊敬する素晴らしい職人の方々も確かに存在しています。しかしながらその数はまだまだ少ないというのもまた事実です。
さらに言えば、シグネットリングの本場でもあるイギリスでも、優れた彫刻家達は高齢化とともに引退することが多く、新しい職人達の育成に頭を悩ませているそうです。)
当然ですが日本には”シグネットリング”というジュエリーの歴史を持っておらず、ある意味で言えばその歴史は始まったばかりであるため、今後のトレンドの変遷が楽しみなところでもあります。
海外のシグネットリング
さて、それでは海外に目を向けていきたいと思います。
シグネットリングとは元々が貴族や富裕層が、自らのイニシャルや家紋などを指輪に彫らせ、それを印鑑の代わりにしていたことから始まったとされます。(起源を遡れば古代エジプトに行き着くとされておりますが、現在の形の源流としては貴族・富裕層のリングにあるとされます。)

Hallwyl Museum / Helena Bonnevier / CC BY-SA, Public domain, via Wikimedia Commons
そのため海外では多くの彫刻師・彫金師達が存在しており、日々切磋琢磨を繰り返しており、彫刻を専門で教える学校やコミュニティも数多く存在していました。
そのような背景もあってか、世界では日本でも人気のシンプルなシグネットリングはもちろん、複雑精緻な家紋やイニシャルが掘り込まれた、超絶技巧を誇る芸術品のようなシグネットリングが多くの職人・ブランドの手によって、生み出され続けております。
ここからは、海外のシグネットリングブランド、そして職人についてご紹介させていただきます。
”芸術品”の名がふさわしい本格派ブランド -London Engraver-
多くを語る前に、まず彼らの実際の彫刻・シグネットリングをご覧いただきたいと思います。
