フラワーサック・フィードサックの知られざる歴史


ヴィンテージという切り口から、新しいヴィンテージアクセサリーを生み出していく中で、また新しいひとつの興味深い歴史を見つけ出しました。

http://birdsofoh.blogspot.com/2009_12_01_archive.html

今回はある”袋”に関する歴史をお話したいと思います。

花柄の美しい小麦粉袋

古きよきアメリカでの話です。

1914年から始まった第一次世界大戦により、アメリカ国内は非常に疲弊していました。働き手も減少し、経済的にもダメージを受けていました。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC%E4%B8%80%E6%AC%A1%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%A4%A7%E6%88%A6#/media/File:WWImontage.jpg

さらに、1929年には世界恐慌が起こり、多くのアメリカ国民が貧困にあえぐ事となってしまいます。

一般家庭では、そのせいで着る服も満足にないという状況に陥ってしまったのです。

そこで女性たちは、”あるもの”から自らの手で衣服を作ることを思い立ちます。それが小麦粉を入れるために作られていた”小麦粉袋(フラワーサック)”だったのです。

https://www.pinterest.jp/zsuzsa57/history/?lp=true

それ以前から、小麦粉袋だけでなく飼料袋(フィードサック)からドレスやカーテン、タオルを作るという文化は、農家を中心に存在していたそうですが、このような歴史の流れを受け多くの女性たちが小麦粉袋からのリメイクに精を出していきます。

これに目をつけた小麦粉の会社は、ドレスを作るのに適した様々な模様(テキスタイル)を小麦粉袋にプリントし、売り上げの増加を図りました。

https://kindnessblog.com/2015/05/06/flower-sack-dresses-from-the-flour-mills-historical-kindness/?utm_medium=google

これが当時の女性たちにヒットし、小麦粉を買ううえでのポイントの一つとして袋の模様が重要視されたほどでした。

小麦粉袋のファッション性の高まり

その後も小麦粉会社はさらに衣服用の生地として小麦粉袋を進化させます。それが「水に溶けるインク・ラベルの採用」「テキスタイルデザイナーの採用」でした。

生地として使う際に、小麦粉としてのラベルや製造会社の名前を印刷してしまっては、女性たちがドレスを作れないという問題がありました。その問題を解決したのが、水に溶けるインクとラベルだったのです。

”このラベルは水に浸せば取り除けます”

小麦粉をすべて使い終わった後で袋を水で洗い流すことで、インクとラベルは水に溶け美しい模様だけが残ります。これによって、女性たちは気兼ねなく小麦粉袋をリメイクすることが可能になりました。

さらに小麦粉会社は、当時の女性たちが好むような模様をデザインすることができるよう、テキスタイルデザイナーを採用し、デザイン面の向上に努めました。

https://kindnessblog.com/2015/05/06/flower-sack-dresses-from-the-flour-mills-historical-kindness/?utm_medium=google

これらの企業努力により、小麦粉袋は更なる人気を博し一時350万人もの人々が、小麦粉袋から作られた衣服を着ていたと見られるほどでした。

しかし1939年には第二次世界大戦が勃発。戦地に赴く兵士たちの装備品に、小麦粉袋の原料であった綿が大量に使用されたため、さらには紙の品質が向上したために徐々に綿でできた小麦粉袋は減少の一途をたどり、1950年代以降は小麦粉袋をリメイクするという文化は忘れ去られていくこととなります。

現代によみがえるフラワーサック

現在でもアメリカンな雰囲気を好む人たちに根強い人気なのが、フラワーサックタオルと呼ばれる、綿でできたタオルです。

あまり知られてはいませんが、このフラワーサックこそ生活に苦しむ人々の知恵と希望が詰まった文化の一つだったのです。

当ブランド、カントリージェントルマンはそんなすばらしい文化を現代に復活させるべく、ヴィンテージのフラワーサックを探し出し、現在アメリカから取り寄せています。

このフラワーサックから、Boro tieと呼ばれるネクタイを制作する予定です。

ヴィンテージアクセサリーの良さは、その素材や物が過ごしてきた”歴史”を身に着けることだと考えています。

ヴィンテージフラワーサックをヴィンテージアクセサリーへとリメイクすること、それは当時素材や費用も限られる中で、少しでもファッションを楽しもうとしていた人々の希望や遊び心を復活させることだと思っています。

ヴィンテージアクセサリーを愛する方々へ、今までになかったアイテムをご紹介することを楽しみにしております。

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