皆さんは”葉巻”を吸ったことがあるでしょうか。
私も人生で数えるほどしか味わったことがないのですが、普通の紙巻きたばことはまた少し違った味わいに、「どんなジャンルにおいても、新しい世界は存在するものなのだな」と、感動したことを覚えています。
今回は、そんな”葉巻”にまつわる少し不確かな歴史と、それに関連するアクセサリーについてご紹介させていただきたいと思います。
シガーバンドとは
簡単に言えば、「葉巻に巻かれている紙でできた帯のこと」を指します。

葉巻の起源は実は明確には判明しておらず、15世期にコロンブスがカリブの島に上陸した際に、原住民が葉巻のようなものを吸っているのを発見したことで、初めて歴史上に登場することとなりました。
端的に言えばそれまでのことなのですが、実はこのシガーバンドが採用されるまでの歴史には諸説あり、まずはそちらをご紹介させていただければと思います。
説1:ロシア皇帝エカチェリーナ2世のシルク説
エカチェリーナ2世と言えば、18世期にロシアの皇帝として安定した治世を誇った女性であり、最近ではhuluの「The Great」というドラマにおいて、
若きハリウッド女優、エル・ファニングが演じていることで一躍注目を浴びています。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Elle_Fanning_2019_by_Glenn_Francis.jpg
Attribution : © Glenn Francis, www.PacificProDigital.com
一説には、このエカチェリーナ2世が葉巻を吸う際、葉巻で指が汚れることを危惧して絹(シルク)で葉巻を包み、汚れることから防いでいたと言われ、
そういった”汚れを防ぐため”にシガーバンドが生まれたというものがあります。
しかしこの説は真偽の程が定かではなく、シガー(葉巻)に詳しい歴史家からすれば信頼できない説の一つに過ぎないとされています。
説2:質の悪い葉巻が崩れるのを防ぐため

また別の説として、「質の悪い葉巻が崩れることを防ぐため」にシガーバンドが生み出されたというものがあります。
葉巻はその名の通り、葉っぱで巻かれたものであるため、巻きが甘ければ葉っぱが剥がれて崩れてしまうことがあったそうです。
そういった質の悪い葉巻の崩れを防ぐため、葉巻の形を整えておくためにシガーバンドが生み出されたという説です。
しかしとても安く販売されていた葉巻が、数十年を過ぎた後でも何の問題もなく形が整っていたという話もあり、この説も可能性としては低いと思われます。
説3:グスタブ・ボック
ドイツの葉巻職人であったオランダ人Gustav Bock Müller(彼について明確な情報が見つからず、彼の出自等については不明確です。)が、キューバに移住したのが1854年のこと。
彼は自らのブランドであったBock y Caの葉巻をより強力にアピールするために、紙で作られた独自のラベルを葉巻に巻きつけました。

https://www.cigar-wiki.com/images/a/a5/Bock-y-ca-logo.jpg
これが初めて葉巻会社がシガーバンドを導入した最初であるとされます。
お話した3つの説のうちで最も可能性が高いのがこのグスタブ・ボックの説であり、これ以降多くの葉巻会社が追随して様々な美しいデザインのシガーバンドが巻かれた葉巻が市場に登場することになりました。