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5つのヴィンテージリングの歴史(サムリング・ロザリオリング・ポジーリング・ピュリティリング・シンブル)

当カントリージェントルマンでは、これまでに様々なヴィンテージリングの歴史について、皆様にお伝えさせていただいてきました。


シグネットリング 、スプーンリング、バイカーリング(メキシカンリング)、ポイズンリング、モーニングリングなど、


一つ一つのヴィンテージリングの歴史を紐解くたび、自分が知っていることというものは、非常に矮小であるのだと毎度のことながら襟を正される思いでおります。


今回はまたそんな思いをさせられる、特に日本では耳慣れない5つのヴィンテージリングの歴史について、お伝えして参ります。


どれも単なる装飾品としてのリングではなく、宗教的な意味合いや戦いを背景に持つリング、贈り物や実用性を重視されたリングなど、


とても興味深いものばかりとなっております。


正直に申し上げまして、読む方を選ぶような非常にニッチなセレクトではございますが、、ご興味のある方には是非ご覧いただければ幸いです。


それでは、皆様を奥深いヴィンテージリングの世界へとご招待させていただこうと思います。

 

サムリング


ひとつ目にご紹介するのは、サムリングです。

ヴィンテージのサムリング

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Archer%27s_Thumb_Ring_MET_DP169752.jpg

※NYのメトロポリタン美術館に所蔵されている、16〜17世紀の翡翠・金・貴石でできたサムリング


サムリング(Thumb Ring)とは、その名の通り”親指の指輪”を表すリングです。


現代においても、ファッションとして親指にリングを着ける方もよく見られますが、ここでいうサムリングとは、その昔弓矢で戦いを行っていた時代に、


弦を引いた親指の皮膚を怪我から守るために開発された、いわば”戦い”のための指輪を指します。


その歴史は非常に古く、紀元前11,000年頃の新石器時代から使用されていたとされています。


私は弓道の経験が全くないため知らなかったのですが、通常右利きの人であれば、


左手で弓を持って右手で弦を引き、弓を射ると思います。


しかしその弦を引く右手の指が、国によって全く違っているのです。


弓を射る際の代表的なスタイルとしては、以下の2つが挙げられます。


・モンゴリアン式

・メディテレニアン式

参考:https://archeryhistorian.com/archery-thumb-rings/


※この他にも原住民などが主に使う弓術もありますが、ここでは割愛します。


おそらくテーマパークなどで、みなさんも試したことのあるであろうアーチェリーは西洋のもののため、人差し指、中指、薬指を使用して弓を放つことと思いますが、それはメディテレニアン式のスタイルです。


アジア圏においては、親指を弦にかけてひき、人差し指はその支えとして弓を放つというスタイルが定着しており、これをモンゴリアン式と呼びます。


※参考までに、モンゴリアン式弓術の紹介動画がございましたので、こちらもご覧ください。