受け継がれるもの、朽ちるもの

最終更新: 5月6日

ファッション業界での新たなトレンドとして、一時圧倒的な勢いを誇った潮流がありました。

それが”大量生産・大量消費”のファストファッションです。


しかし近年では、大手ファストファッションブランドの破産や、日本撤退などのニュースを目にする機会がどんどん増えてきています。


そんな中でふと「受け継がれるものと、朽ちるものの違いはなんなのか」と不思議に思ってしまいました。

その違いは一体なんなのか。どんな物は受け継がれていき、そしてどんな物が朽ちていくのか。


今回は、そんな観点から書かせていただきたいと思います。

時の濾過


昔、何かで読んだ本の中にこんなことが書いてあったように記憶しています。

「本を読むのであれば、現代まで残っている古典がいい。現代まで読み継がれている”孔子の論語”や”ドストエフスキーの罪と罰”のような名著は、時の濾過を経ても今尚そこにある。」


これを、私なりに簡単に解釈してみたいと思います。


ここに一つの本があるとします。


もしこれがくだらない本だったりすれば、それは誰にも読み継がれることなく、50年もすれば誰もそんな本があったことすら思い出さないと思います。


逆にその本がとても素晴らしいものであれば、多くの人の手にそれが渡り、そして記憶にも残り、読み継がれ、50年後でもまだその本は残り続けていると思います。


つまり”時の濾過”とは、どんなにモノがたくさんあったとしても、それは時が過ぎる中でふるいにかけられ、本当に受け継がれるべきもの、価値があるものしか残っていかない、ということを、著者は言いたかったのではないかと思うのです。

ファストファッションの凋落


かくいう私も、ファストファッションに傾倒していた時期がありました。

特にZARAが好きで、手頃な値段で最新のファッションを手に入れることができるため、かなりの金額を使っていました。(今でもたまにウェブサイトを見たりもしています。)


しかし、現在では多くのファストファッションが苦境に立たされています。

これはあくまで私の視点からですが、これこそが”時の濾過”ではないのかと妙に納得している部分があります。


品質の前に、新しさ。価値の前に、価格。


ファストファッションが重視していたのはその2つでした。


はじめのうちは新しい服やアクセサリーが低価格で手に入るため、その新しい潮流に多くの人が虜になりました。

街には巨大なファストファッションの店舗が立ち並び、多くの人が最新の服を買い求めました。


しかし私たちも徐々に気づき始めます。「あの頃は新しかったけど、今では古い」「安いのはわかるけど、ワンシーズン着るともうボロボロになってしまう」


そして最後には、現在の凋落につながっていったのだろうと思うのです。

鋭い一言


この記事を書こうと思っていた時、ふとこんな言葉を目にしました。

現代アーティストで、世界中の名だたる美術館に作品が展示されている新進気鋭の人物、トム・サックスの言葉です。

https://www.instagram.com/p/B3KXOuInZl2/

"ファッションをこの消費社会の諸悪の根源だと思っているから、実はあまり関心がないんだよね。ファッションの“シーズン”という考え方は、計画的に製品を廃れさせることへと直結している。そして消費者、特に女性に対して、最新ではないアイテムを着ていることを時代遅れで恥ずかしいと思わせ、さらに現実的ではない理想像で苦しめ、病に悩ませる。そういう点が大嫌いだ。"

出典:WWDjapan https://www.wwdjapan.com/articles/861033


もちろん、この考え方だけが正しいと思っているわけではありませんが、現代のファッション業界を鋭く指摘した一言であると思っています。


多くのブランドが、最新の流行を捉えた(とされる)作品を発表しています。しかし次のシーズンにはまた別の流行に合わせて作品を作り、これが延々と繰り返されてきました。


流行。ある意味でそれは素敵なものなのかもしれませんが、たまにそれが”間に合わせ”のように見えてしまうときがあります。


その時々の流行に乗れる、その時だけの間に合わせのファッション。かなり辛辣な表現になってしまいましたが、そのように表現することもできるのではないかと思うのです。

受け継がれるもの、朽ちるものの違い


長々と書いてきてしまいましたが、それでは一体、受け継がれるものと朽ちるものにはどんな違いや差があるのでしょうか。


私の考える受け継がれるものと朽ちるものの違いは、極限までシンプルに言えば「そのものにストーリーがあるかどうか」、「時を経ても変わらない耐久力があるか」の2つであると考えています。


ファストファッションを例に挙げれば、その服がそのデザインでその価格であることの理由は、「流行に合ったものだから」という一点です。


その背景に何かを語れるほどの深いストーリーは、きっとないのだろうと思います。


受け継がれるものには、しっかりとしたストーリーがあります。


例えば、世界的に有名なロレックスの中でも絶大な人気を誇るのが”バブルバック”ですが、この”バブルバック”には思わず語りたくなるような歴史があります。

https://www.europastar.com/fast-news/1004090382-no-price-bubble-for-the-rolex-bubble-back.html


時は1933年、ロレックスは世界で初めて完全防水の性能をもつ自動巻腕時計を発表しました。しかし完全防水の性能を持たせるために、特殊な機構を採用する必要があり、どうしても厚みが出てしまいました。


そのため当時の技術では従来の平らな裏蓋をそのまま使用することができず、丸みを帯びた裏蓋を使用することになりました。


その丸みを帯びた形状が”泡”に似ていることから、”泡の形をした裏蓋”つまり”バブルバック”と名付けられたのです。


https://www.europastar.com/fast-news/1004090382-no-price-bubble-for-the-rolex-bubble-back.html


もちろん着け心地だけを考えれば、裏蓋は平らな方が良さそうですが、”バブルバック”にはそんな部分を気にさせないほどのえもいわれぬ魅力があるのです。


さらに、もし”バブルバック”が時が経つ中でよく壊れてしまう時計だったとしたらどうでしょうか。そうだとしたら、きっと現在のような人気を獲得することもなかったと思います。


ロレックスが開発・発表したこの”バブルバック”は、当時の職人たちが最高峰の技術と材料で制作しました。

だからこそ時を経ても止まることなく、いつでも変わらず時を刻み続けているのです。

Country Gentlemanの作品


当ブランド、Country Gentlemanではヴィンテージの銀食器を使用した、フォークバングルやスプーンリングを制作・販売しております。

です。


こちらは、Wallaceという老舗銀食器ブランドから発表されたヴィンテージスプーンを使用して制作した、ヴィンテージスプーンリングです。


Wallaceヴィンテージスプーンリング<Grand Baroque>


数ある銀食器の中でも、抜群のデザイン性の高さとクオリティで、世界中で多くのファンを獲得しているパターンである、Grand Baroque。


そのヴィンテージスプーンを丸ごと一つのスプーンリングとすることで、このヴィンテージ素材が経てきた歴史や品格を、そのまま身に纏うことができるようになりました。


ヴィンテージの世界を愛する皆様にこそ、お試しいただきたい逸品となっております。


その他にも、Country Gentlemanでは様々なヴィンテージの歴史を基に、オリジナルな作品の数々を発表しております。


こちらはビーズ一つ一つが革を縫い合わせた”レザービーズ”で作られた、サンダーバードレザービーズネックレスです。

サンダーバード レザービーズネックレス


特徴は、一つ一つのビーズがハンドメイドで作られたレザービーズです。


国産のヌメ革を細く切ったものを、手作業で一つ一つ縫い合わせたレザービーズは、これまでになかった”持ち主とともに育つネックレス”となりました。


また、中央のサンダーバードはヴィンテージの銀食器を切り取り、スタンプと呼ばれる技法で模様を刻み込んだものです。


どんなスタイルにも自然と馴染んでくれる万能感がある作品です。

Made in Country


私がこれらの作品を作るときの指針としているのが、「ヴィンテージ素材を使用した、本物のカントリーを表現すること」です。


これまでに制作し、多くの方々の手に渡っていった作品たちには、全てヴィンテージ素材が使用されております。


もちろん強度の問題などから、金具やチェーン部分には新しいものを使用することもありますが、基本的には必ずどこかにヴィンテージを感じられるものを使用しております。


これは、「ヴィンテージアクセサリーを身につけるということは、ヴィンテージ素材が時の濾過を経てきたことで身に纏ってきた”品格”や”貫禄”を身につけることと同義である」と考えているためです。


Country Gentlemanはまだまだ小さなブランドですが、これからも本物のヴィンテージの良さを感じていただける方に、楽しんでいただけるような作品づくりをしていきたいと思っております。


そして願わくば、私の手を通っていった作品たちが朽ちるものではなく、時の濾過に耐え受け継がれるものであってほしいという願いを込めて、今日も作品作りを楽しんでいます。


Country Gentleman


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