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アップサイクルとリサイクルの違いを考える

更新日:2020年5月13日


リサイクルはよく耳にしますが、近年盛んに使用されるようになってきた言葉の一つに、「アップサイクル」があります。

リサイクルとアップサイクルの違いや、そもそもアップサイクルとはどんな意味合いを持つのかを、ファッションの観点から見ていきたいと思います。

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アップサイクルとは

アップサイクルとは、リサイクルの中に含まれる概念です。

アップという言葉が示すように、対義語にはダウンサイクルが存在しています。

アップサイクル・ダウンサイクルのそれぞれの意味は以下の通りです。

アップサイクル:低価値な材料を高価値の製品に生まれ変わらせる

ダウンサイクル:製品を低価値の原材料に生まれ変わらせる

例えば、アップサイクルとは<廃材から家を建てる>、<古いタイヤからバッグを作り出す>など、元の素材の価値を高める流れを言います。

古い美しいボトルのラベルを生かし、ガラスへアップサイクルしたコップ

https://www.etsy.com/jp/listing/592120514/shot-glass-made-from-recycled-miniature?ga_order=most_relevant&ga_search_type=all&ga_view_type=gallery&ga_search_query=upcycled+glass&ref=sc_gallery-1-3&plkey=04886d502a5f7080f44816cf7888fcde7e6d3707%3A592120514

※こちらのグラスは、捨てられるだけの運命だったガラスのボトルを切断し、切り口を滑らかにしてグラスへとアップサイクルされたものです。

元々のラベルが味わいのある、素晴らしいアップサイクルプロダクトへと生まれ変わりました。

さらにアップサイクルは、その素材が持つ歴史や背景、さらには製品へ生まれ変わらせるための製法によって、付加価値をつけることすら可能であり、その価値こそがアップサイクルたる所以となってもいます。

逆にダウンサイクルとは<紙から再生紙を作る>、<Tシャツから雑巾を作る>など基本的に価値を下げるリサイクルの流れです。

 

アップサイクルの良い部分

アップサイクルをすることで、沢山の良い影響を環境にもたらすことができます。

まず第一に、物を捨てるまでの期間をグッと引き延ばすことになります。

例えばタイヤを例にとれば、タイヤが製造されてから使用・廃棄されるまでの期間が5年だったとしましょう。

廃棄の手前でアップサイクルを行い、タイヤからバッグを制作することで、その素材が廃棄されるまでの寿命を5年から15年以上に引き上げることができるようになるのです。

古いタイヤチューブをバックパックへアップサイクル

https://www.etsy.com/jp/listing/644444596/backpack-shoulder-crossbody-optional-bag?ga_order=most_relevant&ga_search_type=all&ga_view_type=gallery&ga_search_query=upcycled+bag&ref=sr_gallery-1-6&organic_search_click=1&sca=1

こちらのリュックサックは、古い車のタイヤのチューブを解体し、新たに縫製して生まれ変わらせたものです。

タイヤのチューブという無骨でシックな風合いは、新しい製品にも負けないほどの存在感と洗練されたイメージを呼び起こしてくれます。

第二に、アップサイクル品を購入することで、アップサイクルのサポートをすることになります。

ファストファッションなど、製造から廃棄までの製品寿命が短いものを買うことをやめるか、もしくは少なくし、その分アップサイクル品を購入することで、社会的なアップサイクルの支援・サポートをすることにもなるのです。

第三に、アップサイクル品を製作することで、社会的にアップサイクルという活動を啓蒙することにもなります。

近年少しずつではありますが、アップサイクルという活動に注目する人が増えてきています。しかし一般的に知られるまでにはまだまだ浸透してはいません。

アップサイクル品をより多くの人に届け、そんな活動があるということ、さらにそれが地球の環境にもたらす良い影響について知っていただくことで、社会的な影響を及ぼすことができるのです。

 

アップサイクル品の素晴らしい例

それでは、いくつか実際のアップサイクル品を例を挙げてみていくことにしましょう。

こちらはガラスのボトルをアップサイクルした、ペンダントライトです。

古いガラスボトルをペンダントライトへアップサイクルしたペンダントライト

https://www.etsy.com/jp/listing/473432889/knob-creek-small-batch-pendant-light?ga_order=most_relevant&ga_search_type=all&ga_view_type=gallery&ga_search_query=upcycled+furniture&ref=sc_gallery-1-12&plkey=20baa5ac856bd11fe05662b155acb4b7cbd6219f%3A473432889&col=1

すっぱりと切られたガラスボトルの下から洩れ出る暖かな光と、元々のラベルに遮られてできる柔らかい光が、さりげなくどんな部屋にも馴染んでくれそうなアップサイクル品になっています。

古いスーツケースから製作されたアップサイクルキャビネット

https://www.etsy.com/jp/listing/650563894/frank-small-size-liquor-wine-cabinet?ref=shop_home_active_4

こちらは古いトランクケースを丸ごと、お酒セットを揃えて収納できるようにしたアップサイクルケースです。

お酒のボトルやワイングラスなどをいくつも整然と収納でき、引き出しまで備え付けられた高級品へと生まれ変わりました。

低い価値の素材から、高い価値の製品を生み出すことに成功した、これぞアップサイクル品と呼べるような作品となっています。

美しい緑のガラスが心に残るシーグラスリング

https://www.etsy.com/jp/listing/238804751/green-sea-glass-ring-upcycled-jewelry?ga_order=most_relevant&ga_search_type=all&ga_view_type=gallery&ga_search_query=upcycled+jewelry&ref=sr_gallery-2-7&organic_search_click=1

こちらはシーグラスと呼ばれる、海に捨てられたグラスが長い時を経て、砂や岩に削り取られて滑らかになったガラスを、指輪にしたアップサイクル品です。

人の手では作り出すことのできない、無造作な穴や小傷がグリーンのガラスの美しさと相まってなんとも言えない美しさを醸し出しています。

人間の手だけではなく、自然の力との共作として、注目すべきアップサイクル品の一つです。

 

Country Gentleman×アップサイクル

当ブランド、Country Gentleman(カントリージェントルマン)では、積極的にアップサイクル品を製作しています。

ヴィンテージの銀食器や、古材、錆びた馬蹄やアメリカの納屋で使われなくなった蝶番など、その素材は様々です。

例えばこちらは、アメリカ軍が第二次世界大戦当時にデザインし、兵隊に配ったAircrew Badge(乗務員バッジ)をリメイクし、ヴィンテージリングに生まれ変わらせたものです。

銀のアーミーバッジをリングにしたアップサイクルリング

70年前のヴィンテージ品を身に着けられるということは、素材が経てきた”時代”や”ストーリー”を共に身につけるという価値が生まれます。

日本ではほとんど手に入らないアップサイクル品として、自分としても手元に置いておきたいほどのお気に入りの作品となりました。

こちらは、今から1941年にデザインが発表された、ヴィンテージの銀食器(バターナイフ)から製作した、ヴィンテージバターナイフバングルです。

日本ではまだまだ珍しい、ヴィンテージフォークバングル

オールスターリングシルバー(純度92.5%の銀)で製作されたこのバターナイフには、歴史を超える美しいデザインの力を感じ取ることができます。

力強い彫刻が印象的なフォークバングル

1900年代のヴィンテージの銀食器によくみられる有機的なデザインとして、様々な植物や力強い曲線が絶妙なハーモニーを織りなしています。

厚みもしっかりあり、重量感はありながらもさらりと着けられるヴィンテージバングルとなりました。

裏面にはしっかりとWallace sterlingの刻印が刻まれており、本物の貫禄を讃えています。

その他にも、スプーンを丸ごと丸めて製作したスプーンリングなど、様々なアップサイクル品を製作し・販売しています。

スプーンを丸ごと丸めたヴィンテージスプーンリング

これからも、Country Gentlemanはヴィンテージ素材の持つ魅力やストーリーを最大限に重視し、歴史に埋もれかけたヴィンテージ品の知られざる魅力を、語り継ぐ役目を果たしていきたいと思っています。

まだ見ぬヴィンテージ素材を探し求めて、Country Gentlemanは今日も美しい歴史を紐解いていきます。

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