top of page

シルバーアクセサリーのすべて -人気ブランドからお手入れ方法まで-


シルバーアクセサリー

普段のファッションにワンポイントのアクセントを加えてくれるシルバーアクセサリー。

お気に入りのシルバーアクセサリーを身に着けた時のうれしさは、また格別ですよね。

今回はシルバーの種類から人気のブランド、お手入れの方法まで、シルバーアクセサリーに関することを網羅してお伝えしたいと思います。

紀元前3,000年頃にはすでに人類の歴史にも登場するなど、古くから様々な場面で利用されてきました。

古代エジプトでは、『金は神々の皮であるが、その骨は銀である』と考えられていました。そもそもその頃のエジプトには銀を表す言葉がなかったため、はじめの頃は「白金の金属」と呼ばれていたそうです。彼らにとっての銀は、金の1つの種類であると考えられていたようです。

しかしその価値は非常に高く、エジプト旧王国の貴重品リストには、金製のものより上に銀製のものが掲載されていたようです。その頃に発見された宝物を見ると、金でできたものよりも銀でできたものの方が薄く作られていることが多く、それだけ銀が貴重なものであったことが想像されます。

また銀はかなり有用な金属でもあります。電導性があり加工もしやすく、さらには食品や水の腐敗を防ぎ、感染症を治療するためにも使われるなど、その抗菌性でも知られています。(最近では制汗スプレーに配合されたり、ウエットティッシュなどにも含まれていたりと広く利用されていますよね。)

実は中世のヨーロッパでは食事の時、毒殺されることを防ぐために銀の食器が使われていました。 その当時、銀は毒に触れると曇って教えてくれるとされており、裕福な身分の人間たちは食事を取り分ける際に銀の食器を用い、毒が入っているかどうかを確認してから食事をしたそうです。

これにはきちんと根拠があり、当時流行っていた毒には硫ヒ鉄鉱が多く含まれており、その中の硫黄と銀の成分が反応し、銀がくすむということで判断したのです。同様に、中国では銀の箸を食事の際に使っていたという話もあります。

シルバーの種類

シルバーには様々な種類があります。具体的には純銀と呼ばれる純度の高い銀や、アクセサリーに使用されることの多いシルバー925、アメリカなどで硬貨に使用されていたシルバー900など、

求めるデザインに合わせて、最適な純度の銀を使用する必要があるのです。

純銀

99.9%(.9999)もしくはそれ以上の銀が含まれている金属を純銀といいます。ロイヤル・カナディアン・ミントが製造したシルバー・メープルスは純粋な銀99.99%(.9999)です。

しかし、純粋な銀は特定の用途においては適していないといえます。それは純度が高い銀は柔らかくて曲がりやすく、宝飾品などに使用する際にはうまく加工ができないからです。この性質から、宝飾品メーカーやシルバーデザイナーは、その目的に合わせて銀を他の金属と混ぜることがよくあります。

逆に他の金属(特に銅)と混ぜてしまうと変色しやすくなり、また金属アレルギーも起こりやすくなるなど、混ぜることによっての弊害も起こることは頭に入れておかなければなりませんね。

シルバー925

一般的なシルバーアクセサリーに使用されるのがこのシルバー925です。スターリングシルバー(sterling silver )と呼ばれます。ちなみにスターリング(STERLING )には「法定純度の」、「正真正銘の」、「本物の」という意味があり、スターリングシルバーは「正真正銘の銀」を表します。

多くのスターリングシルバー製品にはその証として、925、SV925、Silver925、Sterlingといった刻印が打ち込まれています。ちなみに多くの国で銀製品にはホールマークと呼ばれる刻印が打ち込まれますがその基準は国によって様々です。

例えばアメリカ、イギリスでは92.5%以上。スイス、イタリア、ドイツでは80%のものに刻印が打たれています。

刻印には銀としての証明だけでなく、作られた場所や工房を表すものも多く存在しています。

話を戻します。シルバー925の925とは、つまりその金属内に含まれる銀が92.5パーセントであることを指します。では残りの7.5パーセントはいったい何かというと、銅をはじめとするその他金属が含まれているのです。(ちなみにこの場合、混ぜる金属のことを割り金と呼びます)

なぜ他の金属との合金にするかという理由は単純で、「純銀は加工するには柔らかすぎる」ためです。純度が高い銀は柔らかいため、ある程度の硬さを必要とする指輪等のジュエリーを制作するのには適していないのです。

そのため銅などの金属を混ぜることで硬さを確保してはじめて実用性が高まり、繊細なデザインを実現することができるのです。

シルバー950

現在あまり使用されていないシルバーの種類です。95パーセントの銀が含まれており、925と比べるとやはり柔らかく変色もしやすいため、比較した際にやはり925が使用されるケースがほとんどです。

シルバー900

アメリカの初期の硬貨には多くの銀が含まれていました。硬貨の中に90パーセントの銀が含まれている銀貨は、1964年まで発行されていました。しかしその後銀の価格が高騰してきたため、硬貨の価値とコストが折り合わずその後だんだんと純度は下がっていき、現在では銀は含まれていません。

アメリカの先住民族であるインディアンは、この硬貨を溶かしてインディアンジュエリーを作ることもありました。

(その頃のシルバーはコインシルバーとも呼ばれます)

現在アメリカでは硬貨を溶かしたり破損することは違法となったため、この頃のインディアンジュエリーは非常に人気があり、価格も高騰しています。

銀の純度が低いため、925と比べると固さもあり色も少し黒ずんでおり、輝きも少し鈍い鉛のような色になっています。しかしそれが逆に渋いということで好んで着用する人も少なくありません。

シルバーの模造品

ご存知の通り、銀は決して安いものではありません。しかしその人気の高さから多くの模造品が作られ実際に販売までされています。

スターリングシルバーと言っていたので買ってみて、実際に着けていたらメッキがはがれてきたなんていう経験は、誰しもあるのではないでしょうか。

そんな経験を二度としないために、いくつかのシルバー判別法をお教えしたいと思います。

1.柔らかい布でジュエリーをこする。布に黒いくすみがある場合には銀であることがわかります。これは銀が空気に触れることにより酸化したためです。

2.硝酸テストを行う。ジュエリーを表面を削り、内側に硝酸を垂らします。赤もしくは暗い赤色になれば、純度の高い銀であることがわかります。しかし黄色や青色になればそれは模造品のシルバーだということになります。

(硝酸は取り扱いによってはやけどを引き起こします。使用する際には自己責任で行って下さい)

3.嗅覚テスト。臭いを嗅いだ際に臭いがあればそれは模造品である可能性が高まります。なぜなら銀はほとんど臭いがしないからです。臭いがするということは銅などの金属が多く含まれているということになります。

4.マグネットテスト。銀をはじめ、金やプラチナはほぼ磁石には反応しません。逆に磁石に強く引き寄せられる場合には、それら以外の金属が多く含まれていることがわかります。

5.アイステスト。銀は高い熱伝導率性を誇ります。(ちなみに銅も高い熱伝導率性です)そのため純度の高いシルバーアクセサリーの上に氷を乗せると、驚くべき勢いで氷が解け始めます。それによって本物のシルバージュエリーかどうかが判別できます。

人気のシルバーアクセサリーブランド

クロムハーツ

日本でシルバーアクセサリーといえば、Chrome Hearts(クロムハーツ)を思い浮かべる人も多いと思います。レーベルとしてのクロムハーツは1988年に正式に設立されましたが、実はその数年前から、リチャード・スタークと仲間の二人(シルバースミス(銀製品職人)のレナード・カムホート、革のベルトを作ったジョン・ボウマン)によって始まりました。

意外なことに、クロムハーツのルーツは革製品の販売から始まりました。最初はオートバイの友達や、その友達からクオリティの高さの評判を聞きつけた人たちのために作り始めたそうです。

評判が評判を呼び、とうとうLAのある小規模な会社のディレクターが彼らのことを聞きつけ、映画の衣装を製作するように依頼しました。それが1989年に作られたB級ホラー映画であった "Chopper Chicks in Zombietown(チョッパーチックスinゾンビタウン)"でした。この映画が、クロムハーツの成長の起爆剤となりました。

その映画には、アンジェリーナジョリーの元夫としても知られる有名な俳優ビリー・ボブ・ソーントン(Billy Bob Thornton)が出演していたこともあり、クロムハーツは芸能界でも名が知られるようになりました。決定的だったのは、ゾンビから街を守る女性グループ(the Cycle Sluts)を演じた女性の中に、たまたまセックスピストルスのメンバーの彼女がおり、そこからセックスピストルズとの付き合いが始まったことです。

そこから彼らはセックスピストルのジャケットやパンツ、その他にも様々服飾品を制作することとなり、クロムハーツの名は一気に広まることになりました。

1992年、さらに重要な出来事が起こります。CFDA(Council of Fashion Designers of America)つまりアメリカファッション協議会が主催するCFDAファッションアワードで、なんとクロムハーツがアクセサリーデザイナーオブザイヤー(ファッション界のオスカー賞)を受賞したのです。

※実はこの時彼らはCFDAが何なのかすら知らなかったという話もあります笑

これにより、アーティストだけでなくファッション業界にもその名をとどろかせたクロムハーツは、アメリカだけでなく世界中に店舗を広げ、実に多くの熱狂的なファンを獲得することになりました

。現在ではSex pistolsだけでなく、BIGBANGやEXILE等の有名なアーティストが着用していることでも知られています。

ゴローズ

言わずと知れた日本発の本格的なシルバーブランド、それがゴローズです。ブランドの名前は、創業者の高橋吾郎氏の名前「ゴロー」からきています。

1939年6月29日、創業者である高橋吾郎氏がこの世に生を受けました。高校生になったゴローさん(高橋吾郎氏の愛称)は、当時は珍しかった革の彫刻を進駐軍に教わり、その技術を引っ提げて1966年に青山に小さなショップをオープンさせました。

その後ゴローさんは単身アメリカにわたります。そこでゴローさんが作った革製品を見た男性との出会いが、ゴローさんをインディアンジュエリーを本格的に制作することになるきっかけの一つでした。その友人との出会いがあり、現地のネイティブの彫金技術を目の当たりにしたゴローさんは見事に心奪われ、どんどん銀細工の加工方法を学んでいきました。

こうして現地のインディアンたちと交流を深めていったゴローさんは、最終的にインディアンの儀式を受けさせてもらえることになりました。そして過酷な儀式を経て正式にインディアンの一人であると認められました。

その時にスー族のメディスンマンから日本人で初めて授かったインディアンネームこそが、のちに彼の作り出すシルバージュエリーの代表的なデザインにもなった「イエローイーグル」だったのです。

帰国したゴローさんはその後本格的にシルバーアクセサリーを制作し始めました。その繊細かつ大胆なインディアンジュエリーはファッションにうるさい業界人やキッズたちに大評判となり、瞬く間にゴローズは日本のシルバーアクセサリー業界での不動の地位を得ることになりました。

現在でも木村拓哉さんをはじめ、EXILEのメンバーなど芸能界でも多くのアーティストに好んで着用されています。

ティファニー

ティファニー(Tiffany&co)は、現在から約180年前の1837年に、アメリカのニューヨークでオープンしました。

詳しくはこちらの記事でも詳しくお伝えしていますが、現在でも婚約指輪から普段使いのアクセサリー、はては銀食器の超一流ブランドとして、全世界で絶大な人気を誇っている女子憧れのブランドです。

シルバーアクセサリーのお手入れ方法

シルバーアクセサリーは、着用していると徐々に黒ずんできます。これは、一般的によく知られている現象である”酸化”ではなく、”硫化”と呼ばれる現象です。

シルバーアクセサリーを着けたまま温泉に入り、お風呂からあがると一気にシルバーが黒ずんでいたこと、ありませんか?これは温泉に含まれる硫黄がシルバーと反応することによって、黒ずむのです。

同様に、空気中には硫化水素が微量ながらも含まれており、これがシルバーを徐々に黒く変色させてしまうのです。では、その黒ずんだシルバーアクセサリーの元の輝きを取り戻すには、どのようなお手入れをすればよいのでしょうか。

答えはとても簡単です。まずお近くの100円ショップへ行きましょう。すると『シルバーアクセサリー用クロス』という布が売られていますので、これを購入します。

後は家に帰ってその布でごしごし磨いてあげるだけ。どうです?簡単ですよね。

この布には非常に細かい研磨剤が含まれており、それで磨くことによって黒ずみの部分がどんどん削られて行き、最終的に元の美しい銀色の輝きを取り戻すことができるのです。

研磨剤といっても、非常に非常に細かいものですので目に見えて磨いた跡や傷ができたりということもありません。ガシガシ磨いていただいて大丈夫です。

もしルーターやインパクトドライバー等の器具をお持ちであれば、バフがけ用のアタッチメントを取り付け、同様に非常に細かい研磨剤が含まれた液体を含ませて磨くことで、より一層輝きを増すことも可能です。(ホームセンターなどでスタッフさんに聞いていただければ見つかりますよ)

シルバーは身につければ身に着けるほど、そこについた傷が味わいとなって現れてきます。自分が気に入ったものを長く身に着けて、次の世代へ譲り渡すことも可能です。

奥深いシルバーの歴史を知り、今度はあなただけのシルバーとの歴史を、これから作り上げていってはいかがでしょうか。

カントリージェントルマンが一つ一つ手作りで制作しているアンティークのアクセサリーはこちらからご覧いただけます。

bottom of page