銀食器の知られざる歴史

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スプーンなどの銀食器の画像

古くは1870年から1920年にヨーロッパを中心に栄華を誇った銀食器業界。

私カントリージェントルマンは、そんな銀食器を素材としたヴィンテージアクセサリーを制作し、販売しております。

その中で様々な銀食器に触れ、その歴史について調べを進めてきました。

今回はそんな経験や知識をもとに、銀食器の歴史について紐解いていきたいと思います。

ヴィンテージバターナイフを素材とした希少なブレスレット

銀食器(ヴィンテージバターナイフ)をリメイクしたブレスレット

銀食器の素材:スターリングシルバーの歴史

スターリングシルバーの銀食器

銀食器は、その名の通り銀で作られた食器を指します。

古くから、銀は多くの異なる名前で呼ばれてきましたが、現在最も使用される 「スターリングシルバー」という言葉の「スターリング」はどのようにつけられたのでしょうか。話は12世紀にまでさかのぼります。

牛を購入する際の支払いとして、ドイツ東部の人々はイギリス人に「Easterlings(イースターリング)」と呼ばれる銀貨で支払いを行いました。

その結果、「Easterlings(イースターリング)」は英国通貨の基準として広く受け入れられました。 この名前が時を経て略されていったものが現代の「Sterlings(スターリング)」となったといわれています。

銀食器の素材:スターリングシルバーの特徴

スターリングシルバーの作品

すべての貴金属の中でも、スターリングシルバーとよばれる純度92.5%の銀は、その燦然たる輝きとさまざまな用途への汎用性とで、何世紀にもわたって人々の生活に利益をもたらしてくれました。

純銀は非常に柔軟で加工のしやすい金属の1つです。実際に、融点は961.8℃と金のそれよりも低く、ハンマーなどでたたくことで様々な形に容易に変形します。

そのため、現代でもジュエリーや銀食器、またその価値の高さから銀のインゴッド(銀塊)として、使用されています。

ジュエリーなどを購入する際に、よく指標のひとつとして用いられる「スターリングシルバー」という名称は、そのものに92.5%の純銀が含まれていることを示しています。

残りの7.5%は、他の金属合金、最も多くの場合銅で構成されています。92.5%よりも、100%の銀含有量が望ましいと思われるかもしれませんが、実際にはそうではありません。

92.5%を超える銀を含む金属合金はでこぼこや傷に弱く、なにより柔軟性が高すぎるために変形してしまう恐れがあるのです。

ジュエリーや銀食器として銀を使用するためには、銅などの第2の金属と混ぜ合わせることによって安定性と弾力性を確保する必要があるのです。

銀食器の素材:健康と銀の関係

抗菌剤・殺菌剤としての銀

また、銀は何千年もの間、世界中の文明によって抗菌剤として使われてきました。その医学的、保存的および回復力は、古代ギリシャとローマ帝国まで遡ります。

銀は現代の医薬品が開発されるよりもはるか前に、殺菌剤と抗生物質としても使用されていたのです。

たとえば、ギリシャ人は、水や他の液体を新鮮に保つために銀製の器を使いましたし、ローマ帝国では腐敗を防ぐために銀の壷にワインを保管していました。

また古代エジプトの書物にも銀がさまざまな面で使用されていたことが記載されており、中世では、銀製品は疫病のから富裕層を守ったことが書いてありますし、実は現代の殺菌剤や抗生物質の出現前に、病原菌が銀の存在下で生存できないことが知られていました。その結果、食器類、飲料容器、食器類に銀が使用されていったのです。

さらにいえば、銀は毒によって変色することも知られていたため、中国の皇帝は銀の箸で食事をしていました。 西洋でももちろん銀は重宝されており、オーストラリアやアメリカの入植者たちは、飲料水の樽やタンクに銀のコインなどの銀製品を入れることで、バクテリアや藻類の繫殖を抑え安全な水を確保していました。