今回CountryGentlemanではロジャース社のアルハンブラパターン(柄)のヴィンテージスプーンを入荷しました。
ロジャース社の高いデザインセンスによって、美しいアルハンブラ柄(幾何学文様)のスプーンが発表されたのは今から約111年前の1907年のことです。世界的にはアール・デコが隆盛する少し前のタイミングでした。
力強いラインで描かれたアルハンブラパターンの周りに、植物が複雑に絡み合うデザインは当時多くの人の目を引き、ロジャース社の名を強力に知らしめることになりました。
このスプーンはニッケルシルバーの上に銀メッキを施したシルバープレートとなっており、繊細かつ大胆なデザインがスプーンを芸術の域にまで高めています。
さて、そんな今回はそんなロジャース社をご紹介しようと思ったのですが、少し面倒なことになりそうです。詳しくは以下をご覧ください。
星の数ほどある”ロジャース”社
Rogers(ロジャース社)と言っても、社名にそれがつく会社は当時非常に多く存在していました。いくつかは親戚や兄弟など親類で経営されていたものでしたが、そうでない場合もあったそうで、分類には手間がかかるほどです。
シルバーカトラリー(銀食器)メーカーだけで見ても、以下の通り非常に多くのロジャース社があったことがわかります。
・ASA ROGERS JR. & CO.
・C. ROGERS & BROS
・CHURCH & ROGERS
・F.B. ROGERS SILVER CO.
・F. WILLSON ROGERS
・HENRY ROGERS, SONS & CO.
・H.O. ROGERS SILVER CO.
・J. ROGERS SILVER CO. INC.
・N.B. ROGERS SILVER PLATE COMPANY
・ROGERS & BRITTIN
・ROGERS & BRO.
・ROGERS & BROTHER CO.
・ROGERS & COLE
・ROGERS & HAMILTON CO.
・ROGERS & MEAD
・ROGERS & SPURR MFG. CO.
・ROGERS & WOOD CO
・ROGERS BROS.
・ROGERS BROS. MFG. Co
・ROGERS BROTHERS
・ROGERS CUTLERY CO.
・ROGERS, LUNT & BOWLEN CO.
・ROGERS PARK SILVERWARE CO.
・ROGERS SILVER PLATE CO.
・ROGERS, SMITH & CO.
・ROGERS, WENDT & WILKINSON
・SIMEON L. & GEORGE H. ROGERS CO.
・W.F. ROGERS
・WILLIAM H. ROGERS
・WILLIAM H. ROGERS CORPORATION
・WILLIAM ROGERS
・WILLIAM ROGERS & CO.
・WILLIAM ROGERS & SONfirst partnership
・WILLIAM ROGERS & SONsecond partnership
・WILLIAM ROGERS JR
・WILLIAM ROGERS MFG. CO.
・WM. G. ROGERS
・WM. ROGERS MFG. CO. LTD
・WM. A. ROGERS LTD
・1847 ROGERS BROS.
・1865 WM. ROGERS MFG. CO.
・1881 (R) ROGERS (R)
参考:http://www.silvercollection.it/ROGERSSILVERMANUFACTURERS.html
ご覧の通り、数多くの”ロジャース(Rogers)”社が乱立していました。
William Rogers Manufacturing co.について
さて、今回入荷したアルハンブラのヴィンテージスプーンは、数あるロジャース社の中、William Rogers Manufacturing co.(ウィリアム・ロジャース・マニュファクチュアリング・カンパニー)にて制作された作品です。
そもそもそのWilliam Rogers Manufacturing co.とは、ウィリアム・ロジャースと彼の長男であるウィリアム・ロジャース・ジュニア(他にも息子がおり、その中でもアサ・ジュニアとシメオンは株主だったそうです)によって1865年にコネチカット州ハートフォードに最初の組織が設立されました。
1866年にはRogers&Brother Coとなり、ウィリアム・ロジャース・マニュファクチュアリング・カンパニーが設立された1872年には、ロジャースはもはや同社に関与することはなくなりました(しかしその後、ウィリアム・ロジャーズの後任のF.ウィルソン・ロジャースが事務局長として入社しました)。
1880年代に、同社はウィリアム・ロジャース・ジュニアとの間で、ウィリアム・ロジャースの名前を使用する権利について激しい論争を起こしました。
1898年、同社はインターナショナル・シルバー・カンパニーの一部となり、現在に至ります。
William Rogers Manufacturing co.(ウィリアム・ロジャース・マニュファクチュアリング・カンパニー)のシリーズ
参考:https://www.ebay.co.uk/itm/1915-ADVERT-Silverware-Flatware-Rogers-Puritan-Argyle-Alhambra-Beauty-Pattern/310953451707?_trkparms=aid%3D222007%26algo%3DSIM.MBE%26ao%3D2%26asc%3D49896%26meid%3D1778451fee734001a69f347b0d4deee3%26pid%3D100623%26rk%3D2%26rkt%3D6%26sd%3D310954415479&_trksid=p2047675.c100623.m-1https://www.ebay.co.uk/itm/1915-ADVERT-Silverware-Flatware-Rogers-Puritan-Argyle-Alhambra-Beauty-Pattern/310953451707?_trkparms=aid%3D222007%26algo%3DSIM.MBE%26ao%3D2%26asc%3D49896%26meid%3D1778451fee734001a69f347b0d4deee3%26pid%3D100623%26rk%3D2%26rkt%3D6%26sd%3D310954415479&_trksid=p2047675.c100623.m-1
こちらは1915年ごろに出されたウィリアム・ロジャーズ・マニュファクチュアリング・カンパニーの広告です。
直線的で非常にシンプルなデザインのものや、アルハンブラのような複雑なデザインまで、非常に幅広いデザインを施したスプーンは、現在でも多くのコレクターたちに愛されています。
カントリージェントルマンではこちらのスプーンを使用したヴィンテージの指輪、ブレスレット、ペンダントを制作予定です。
なるべく早い段階でアナウンスいたしますので、どうぞご期待ください。