レザージャケット(革ジャン)の知られざる歴史

最終更新: 5月13日

現代において、「反抗」や「不良」を感じさせるファッションアイテムの一つとしてその不動の地位を築き上げたレザージャケット(革ジャン)。


ストリートファッションやバイカーたちにとってもはや欠かせない存在となったレザージャケットですが、もしあなたもジッパー付きのジャケットを一つでも持っているのなら、今回のお話は非常に興味深いものとなるに違いありません。


今回はそんなレザージャケットの知られざる歴史を紐解いていきたいと思います。

レザージャケットの起源


レザーを衣類として使い始めた起源には、諸説あります。(ネイティブアメリカンたちやその他民族の衣装がそれにあたります。)


しかし現在のレザージャケットの直接的な系譜を辿れば、第一次世界大戦の終盤に当たる1918年に、ドイツ軍の戦闘機のパイロットのアウター、つまりは軍服として採用されたことが起源であるというのが世界的な定説となっています。

https://www.thefedoralounge.com/threads/eastman-leather-clothing-wwi-imperial-german-aviator-flying-coat.81771/


その後、レザージャケットが持つ耐久性や防寒性などの性能に各国の軍が目をつけ、一気にその人気は高まります。代表的なところで言えば、「King of the flight jacket」との呼び声も高い、アメリカ軍のA-2フライトジャケット(1931-1943)です。


アメリカ軍初期のフライトジャケットであったA-1と比較すると、その人気は圧倒的にA-2に軍配が上がるほどに人気を誇り、軍を退役した後も彼らは生涯それを大切に着続けているほどです。

中央がA-2フライトジャケット

https://www.gentlemansgazette.com/bomber-flight-jacket-guide/


A-1とA-2ジャケットの最大の違いは、ジッパーにあります。A-1はボタンで開閉を行い、A-2はジッパーで開閉を行いました。

・・・などとお話を進めていくと、レザージャケットではなくフライトジャケットのお話に脱線してしまいそうなため、ここではこの程度に留めておきたいと思います。

ショットのレザージャケット


レザージャケットの歴史を紐解くにあたり、欠かせないブランドがあります。それがShott(ショット)です。

https://www.schottnyc.com/


あなたがバイカーなのであれば、きっとすでにご存知かと思いますが、レザージャケットといえばショットと言われるほど、圧倒的な知名度と人気を誇るのが、Schott(ショット)なのです。


Schottは、ロシア系移民の息子である、 Irving Schott(アーヴィン・ショット)が1900年代はじめに衣料品メーカーのパターンメーカーとして働き始めたことから始まります。


彼はその後1913年に独立し、マンハッタンのローワーイーストサイドにある長屋の地下に、弟のJack Schott(ジャック・ショット)と共にShott Brothers(ショットブラザーズ)という名前で工場を開設しました。


彼らの最初のヒット商品はシープスキンの裏地付きレインコートでした。当時はまだまだ知名度もなかったため、彼らは商品を持ち、ドアからドアへと地道に販売して歩きました。


その後ショットブラザーズは様々な種類の商品を開発・販売し始めます。大きな転機が訪れたのがBecks(ベックス)との出会いでした。


友人の紹介でアーヴィンたちはベックスと出会います。ベックスとは当時国内最大のハーレーダビッドソンの販売代理店として知られており、彼らはアメリカ全土のオートバイショップで入手可能な商品のカタログを配布していました。

https://www.pinterest.jp/pin/795518721655105308/?lp=true


彼らショットブラザーズはそこに商機を見出し、早速1920年からそのカタログへ掲載するためのアウターウェアの製造を開始しました。これが現在一般的に知られているいわゆる”レザージャケット”の原点へとつながると言うわけです。

空白のバイカーウエア

http://www.viewsofthepast.com/topics/fr-motorcycles.htm


その後アメリカではハーレーダビッドソンをはじめとするモーターバイクに対する人気が過熱していきます。しかし一つの問題がありました。その頃のバイカーたちのためのジャケットがなかったのです。


バイクに乗る上でなによりはじめに考慮しなければいけないのが、”風”による影響です。車のように室内で運転をするわけではなく、生身の人間が屋外で運転をするため、バイカーたちは風と戦う必要がありました。


一般的であったアウターのニットなどは網目から風を通してしまい、かといって革のジャケットを着たとしても体を折り曲げて運転するバイカーにとって、それは窮屈で運転の妨げになっていました。


そんな中でアーヴィンとジャックは1928年に革新的な商品を世に送り出します。それが名作”Shott Perfecto”です。(小話ですが、この"Perfecto"は"完全"という意味から名づけられたわけではなく、当時アーヴィンが好んで吸っていた魚雷型の葉巻から着想を得て名づけられたそうです。)


https://www.schottnyc.com/forum/posts/1928_model.htm


このレザージャケットは5.5ドル(現在の価値で約70−80ドル程度!)で販売され、多くのバイカー達がこぞってこれを買い求めました。

レザージャケットの元祖


皆さんはレザージャケットのジッパーがなぜ、みぞおちから肩にかけて斜めに配置されているか、その理由をご存知でしょうか。察しのよい方ならお気づきかと思われますが、それはバイカーのための奇妙な、そして効果抜群のギミックだったのです。


バイクに乗る際、バイカーたちは前に体を傾けます。革はやわらかくなめされてはいましたが、それでも革の厚みや硬さから、ジッパーが中心に配置されていると胸が苦しくなるような締め付けを覚えるであろうことは想像に難くありませんでした。

https://en.wikipedia.org/wiki/Motorcycle_land-speed_record


そんなバイカーたちが運転する際の邪魔にならないように、Schottの二人はジッパーを斜めに配置することでより運転しやすいように改良を加えたのでした。


さらにこのジャケットのギミックはそれだけではありません。まだバイカージャケットがなかったころには、ポケットに小物を入れたままバイクで走ると、風と共によく小物が飛ばされ紛失することは日常茶飯事でした。


1913年ごろはジッパーはまだまだ高級な素材であり、それをジャケットに使用することは考えられませんでしたが、第一次世界大戦後から徐々にその価格がおさえられるようになり、1925年にSchottは世界で始めて衣類にジッパーをつけたとされることでも知られています。

https://www.thoughtco.com/history-of-the-zipper-4066245


つまり、Schottはレザージャケットの元祖であるだけではなく、世界で始めて服にジッパーをつけたブランドでもあったのです。その先見の明たるや恐るべきものがあります。


このジッパーをポケットにも採用することで、バイカーがポケットから小物を紛失してしまうことも防ぐことに成功し、瞬く間にバイカーたちのアウターとして不動の地位を築くことに成功したのです。

レザージャケットとハリウッド


バイカーたちのアウターとして定番のジャケットとなったレザージャケット。ではそのレザージャケットがバイカー達以外の消費者層に普及したきっかけは何だったのでしょうか。


他の多くのファッションアイテム同様、それは映画から始まりました。


時は1950年代。第二次世界大戦が終わり帰国した者達や、打ち込むことが見つからない若者達の行き場のないエネルギーを注ぐことのできる対象として、当時アメリカ国内ではバイク文化が非常に盛り上がっていました。


そんな時代背景があった中で1953年にアメリカで初めてバイカーをテーマにした一つの映画が封切りされました。その名も「The wild ones(乱暴者)」です。

https://www.reddit.com/r/OldSchoolCool/comments/7ivb2x/just_watched_this_masterpiece_marlon_brando_in/


のちにゴッドファーザーに出演し、見るものを震えあがらせる名演を見せることになる「20世紀最高の俳優」、若き日のマーロン・ブランドを主演に迎えたこの映画は、当時の若者を中心にヒットを飛ばします。


この映画の中でマーロン・ブランドが颯爽と着こなしていたのが、Shottのレザージャケット通称「Shott One star」でした。エポーレットと呼ばれる、元々は銃や弾薬の紐がずり落ちないように肩に固定するために取り付けられていたパーツに、星のスタッズが取り付けられていたため、”One star”という名前が付けられたようです。

http://freshwallpapers.net/hollywood/marlon-brando-the-wild-one.html


当時の若者達はその「野蛮」な「不良」達に憧れ、巷にはレザージャケットをきて歩く若者達が溢れていました。しかしそれが大人達の目に止まり、「子供達を不良の道に引きずり込まれる恐れがある」ということから、アメリカ国内の一部の学校では、生徒達のレザージャケット着用を禁止する学校すら現れました。


このようにレザージャケットは一つの社会問題にすら発展するほど、その認知度は爆発的に拡大されていきました。


その後も「ティーンエイジャーの憧れ」であった伝説の俳優ジェームス・ディーンや、「永遠の伊達男」スティーブ・マックイーンなどがレザージャケットを着用していたことも、その人気に拍車をかけました。

http://2.bp.blogspot.com/-Nz3BFkanxZ8/ULQB-jK402I/AAAAAAAABnI/mGI8kQGyfQQ/s1600/jamesdean1.jpg


さらに1950年代はティーンエイジャーの概念が初めて生まれた年代とも言われており、そんな中でロックンロールという音楽のジャンルが急速に人気を集めていきます。


ビートルズやセックスピストルズ、ラモーンズなどロックアーティストの多くが好んでレザージャケット(革ジャン)を着用していたことで、現在では一つのファッションアイテムとして、レザージャケット(革ジャン)は認知されるようになったというわけです。


現在でも多くの人がファッションアイテムの一つとして取り入れるレザージャケットには、このような知られざる歴史があったのです。たった一つのアイテムに、これほどまでの時代的背景や変遷があることはとても興味深く、また楽しくもあります。

カントリージェントルマンの作品たち


このような知られざる歴史を掘り起こし、ヴィンテージ・アンティークの歴史を愛する人たちへご紹介することを一つの楽しみとするのが当ブランド、それがカントリージェントルマンです。


カントリージェントルマンでは、同じく歴史的な背景や深みを持つ独自のヴィンテージ・アンティークアクセサリーを制作・販売しております。


代表的なものが、スターリングシルバー製(純度92.5%)のヴィンテージフォークやヴィンテージスプーンを素材として制作される、銀食器のヴィンテージ・アンティークアクセサリーです。


こちらはWallaceのヴィンテージスプーンを丸めて制作された、ヴィンテージスプーンリングです。

シルバーの美しさを知り尽くしたデザイナーが作り出した流麗なフォルムを余すところなく味わえる、特別なリングとなりました。


こちらは同じく老舗銀食器ブランドのWallaceの名作、Grand Baroqueのフォークから制作した、ヴィンテージフォークバングルです。

3Dimention(3次元)と呼ばれるシリーズの中でも、ひときわインパクトのあるこのGrand Baroqueは、見るものを惹きつけてやまない独特な魅力を持っています。


なによりその彫刻の緻密な配置とクオリティは、これまで数百のヴィンテージ銀食器を見た中でも1-2を誇るほどです。


この他にも、失われつつある技術と厳選したヴィンテージ素材を使用してネイティブアメリカンのデザインを忠実に再現して制作したバッテリーバードや、

一つ一つのビーズをヌメ革から丁寧に手作りで切り出し、縫いつけ、組み上げたレザービーズサンダーバードネックレスなど、

当ブランド独自の視点で作り上げた作品など、様々なアクセサリーを販売しております。


この記事を読んでくださった方は、きっとファッションを表面的になぞるだけではなく、その真相に迫らんとする探求家の一面をお持ちの方であると、勝手ながら推察しております。


そんなあなたの心の琴線に触れ得る作品、とまではいかないまでも、きっと新鮮な驚きはご提供できるものと思っております。お時間のある際にはぜひ当ブランドの作品をご覧いただければ幸いに思います。


ヴィンテージ・アンティークアクセサリーの作品はこちらからご覧頂けます。


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