バッテリーバードの知られざる歴史とは


日本でも一部のファッションフリーク・ネイティブアメリカン好きにしか知られていない、現在ではもはや失われつつあるヴィンテージアクセサリー。

それが今回ご紹介するサントドミンゴ族のネックレス、【バッテリーバード(Battery Bird)】です。

Country Gentleman製のバッテリーバード

Battery Bird(バッテリーバード)についての歴史を詳細に記された記事や文献は、現在日本にはほとんど存在していません。

逆に言えば、それこそが”知られざるヴィンテージアクセサリー”の証明でもあります。

この【バッテリーバード(Battery Bird)】は、シルバーなどのネイティヴアメリカン定番の素材を一切使わず、ほとんどがプラスチック(ベークライトなど)でできているのですが、

その”独特の雰囲気”や”貫禄”は数あるヴィンテージアクセサリーの中でも特に異彩を放っています。

今回は約1年半をかけて調査を行った、失われつつあるヴィンテージアクセサリー【バッテリーバード】の歴史を、ご紹介していきたいと思います。

バッテリーバードとは

Battery Bird(バッテリーバード)とは、1920年末ごろからネイティブアメリカンの部族の一つであるサントドミンゴ族が制作していた、身の回りにあるプラスチックなどから作られたネックレスのことを指します。

https://www.shiprocksantafe.com/items/38638

そのほとんどはネイティヴアメリカン達の中で神聖な鳥と考えられていた、Thunder Bird(サンダーバード)をモチーフとして作られています。

現在ではほとんど製作されていない、文字通り幻のネイティブアメリカンジュエリーの一つです。

最近ではRalph Laurenの高級ラインであるブランド【RRL】のInstagramでも紹介され、高感度なファッショニスタ達から、徐々に注目を受け始めているジュエリーとなっています。

サントドミンゴ族について

主にバッテリーバードを製作していたのが、サントドミンゴ族と呼ばれるネイティブアメリカン達です。

彼らの住むサントドミンゴプエブロプエブロとは、インディアンの伝統的な集落や共同体のことで、メキシコの北部とアメリカ南西部、特にアリゾナ州及びニューメキシコに多くみられます。

ちなみに現在は約35,000人程度のプエブロ・インディアンがいるとされています。)は

ニューメキシコ州のSandoval Countyに位置し、サンタフェから南に約40kmほどの位置に存在しています。最後のアメリカ国勢調査では、人口2,550人となっています。

あまり知られていませんが、この集落は1926年から1932年までのかの有名な”Route 66”上にあったアルバカーキ (Albuquerque)のすぐ近くに存在しており、

その立地のよさから、彼らの作り出すアクセサリーは多くの観光客の目に触れることとなりました。

現在ではケワ(Kewa)プエブロへ改名されていますが、多くの素晴らしいジュエリーアーティストを擁するネイティブアメリカの部族の一つです。

サントドミンゴ族の作品として広く知られているのが、Heishi(ヒシ)と呼ばれる平たく小さいビーズです。

https://www.ebay.com/itm/Vtg-Santo-Domingo-Heishi-NECKLACE-Shell-Turquoise-Green-Jasper-Jet-Coral-18-L/233248407321?hash=item364eb03f19:g:xxgAAOSwX6Nc-AqN

そもそもこのHeishiとはサントドミンゴ族の言葉で”貝”を表しています。

彼らはサントドミンゴプエブロ近くに流れる、リオ・グランデ川などで採れる貝などから非常に小さく細かいビーズを制作していました。

このHeishiのビーズの完成度の高さは他の部族からの評価も非常に高く、特にズニ族などは自らの作品にHeishiビーズを取り入れるほどで、みなさんが持っているネイティブアメリカンジュエリーにも含まれているかもしれません。

バッテリーバード誕生の歴史的な背景

1929年に起こった世界恐慌により、アメリカでは一時期1,300万人もの失業者が発生するなど、人々は貧困にあえいでいました。

ネイティブアメリカンたちもその影響を受けており、ジュエリー制作の面でも深刻な物資・材料不足に悩まされていました。

世界恐慌の影響により、彼らの作品作りに欠かせない「質のいいターコイズ」や「シルバー」などの材料の入手も非常に困難になり、