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メンズリングの歴史

更新日:2020年5月5日


肌に触れる風がいよいよ秋めいてくる今日この頃、ブログをご覧いただきましてありがとうございます。Country Gentlemanの城取です。

当ブランドCountry Gentlemanでは、ヴィンテージスプーンからスプーンリングを制作するなど多くのリングをメンズ、ウィメンズ問わず販売しております。

今回はその”メンズリング”について、知られざる歴史を紐解いていきたいと思います。

 

リングの始まり

リングがこの世に登場したのは、今から約5,000年前(紀元前3,000年頃)の古代エジプトであったとされています。

初期の指輪は当然金銀などのものではなく、植物や動物の皮を編み込んで作られた指輪であったとされ、その後徐々に動物の骨や石などで作られた指輪も登場してきます。

古代エジプトで制作された金のメンズリング

https://amunrajewelry.com/golden-ancient-egyptian-rings

当然この頃はシルバー、金といった素材で作られた指輪は一般的ではなく、一部の限られた貴族や王族のみが身につけることができました。そもそもこの頃はダイヤモンドなどの貴重な宝石を加工する技術すら確立されてはいませんでした。

リングの意味合いは基本的には現在と変わりなく、”愛”を表現するためのものであったとされます。

リングには装飾品だけでなく、生命の環としての意味合いや、リングの中心の穴が未来へのゲート(扉)や未知への扉となってくれるとも考えられていました。

現在まで続く習慣のひとつとして、結婚指輪は左手の薬指に身につけますが、これは古代エジプトで「左手の薬指には心臓に直接つながる特別な静脈が通っている」とされていたため、その指にリングを身に着けることが、特別な意味合いを持ったからでした。

しかし、現代医学でそのような「特別な静脈」があるという事実はない、という結果が出されています。それでも我々は、古代からの愛にあふれた指輪の習慣を現在も踏襲しているわけです。

ちなみに、古代エジプトでは指輪に限らずジュエリーで身を飾ることで、「神々の注目を得られる」もしくは「悪霊を追い払える」と考えられていたため、貴族・王族は男女を問わずこぞって金や銀のアクセサリーを身につけていたそうです。

 

結婚指輪の誕生

現在男性が身に着ける指輪として一般的なもののひとつは、結婚指輪でしょうか。しかし意外と知られていないのですが、男性も結婚指輪を身に付けるという文化が一般家庭にも浸透したのは、19世紀以降の世界大戦がきっかけとされています。

男性から女性へ送る結婚指輪の広告

http://www.retro-chick.com/blog/2017/6/23/vintage-movie-magazines-from-the-1950s-great-advertising

愛する女性や家族と離れた戦地でも、つながりを感じられるようにとの願いをこめて、身に着けられ始めたのです。

ではその結婚指輪の歴史を少し見ていくことにします。

結婚指輪の習慣は古代ローマ時代にまでさかのぼります。この頃初めて、”リングと結婚”というものが結び付けられ法的に定められました。(婚約、離婚もです。)

ちなみにこの頃の法律的には、事前に両親の許可を得ること、女性は12歳以上、男性は14歳以上であることなどが定められていたとされます。

一つ意外な話として、古代エジプトでは結婚指輪は愛の証であったのに対して、古代ローマでは結婚指輪は多くの場合”所有”の証であったとされます。

つまりは、父から夫にその女性の所有権が移ったことを示す為の証として機能したのが、結婚指輪であったといわれているのです。

より”所有”の意味合いを強めるため、鍵を模してデザインされた鉄の指輪が多く身に着けられました。ちなみにこの頃結婚指輪は金でできたものと鉄でできたものが贈られ、祭事は金、普段は鉄という形で使い分けられていました。(当時の金は非常にやわらかく、傷もつきやすかったため鉄が普段使いとして身に着けられました)