今回はファッションやヴィンテージアクセサリーの歴史ではなく、個人的にとても大好きな文化の一つである”スピークイージー”について、知られざる歴史をご紹介したいと思います。

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スピークイージーとは、1920年代に成立した禁酒法の最中に、いわゆる【密造酒を提供していたバー】のことを指します。
現在では【隠れ家バー】のような認識で世界各地に存在していますが、その裏にはとても興味深い歴史が隠されていました。
今回はそんなロマンあふれる”スピークイージー”の知られざる歴史を紐解いていきます。
語り継がれる悪法、禁酒法の成立
場所はアメリカ、時は狂乱の20年代と呼ばれた1920年代へさかのぼります。
第一次世界大戦が終わり、アメリカ国民は久々に生活を楽しみ始めます。この頃ジャズ・ミュージックが流行し、芸術面ではアール・デコが隆盛しました。
そんな1920年代に成立したのが現在でも語り継がれる悪法、禁酒法です。
(ちなみに禁酒法は、敬虔なキリスト教徒の集団による禁酒運動から端を発しています。)
禁酒法は1920年に施工された法律で、その内容は簡単に言えばこうです。
1.0.5%以上のアルコールを含むものを規制。 2.アルコールの製造・販売・輸送を禁止。 3.手元にあるものを飲むことは許可。
つまり「酒を作ったり売ったりしてはだめだが、持っているものは飲んでもよい」という、なんともお粗末な法律だったため、法律の施行前に大量に買いだめする人が続出するほどでした。
この禁酒法の成立によって誕生したのが、いわゆるもぐり酒場のスピークイージーでした。
スピークイージーのシステム
禁酒法の成立と共に生まれたスピークイージー。
ほぼ全てのパブやバーが警察によって閉鎖に追いやられてしまったため、スピークイージーは瞬く間に増えることになり、
ニューヨーク市だけでもかなりの数のスピークイージーが存在していたと言われています。

http://theroaringtwentieshistory.blogspot.com/2010/06/prohibition-and-speakeasies.html
スピークイージーの語源には諸説ありますが、有力な説としては
当時警察からの捜査を防ぐため、入店の際には扉の裏にいるドアマンに合言葉を言う必要がありました。
その際周りに聞こえないように「こっそりと話す」必要があったことから、Speak easyの名が付いたとされる説や、
酒を注文する際、酒の名前を言う代わりに「Panther Sweat(パンサーの汗)」や「Tarantula juice(タランチュラジュース)」など、
簡単に言える(Speak Easy)言葉で注文する必要があったということから来ているとする場合もあります。
いずれとしても、警察からの追跡を避けるためにさまざまな対策が講じられると共に、それは独自のスピークイージーの文化を形成していきました。